16世紀初頭、早くもスペイン・イングランドにタバコが広まり始めたために、タバコの有害性に関する議論も始まりました。喫煙は、病気の治療や愉しみとして賞賛される一方、脳や肺を害すると批判もされました。喫煙の害益についての議論は、喫煙習慣が広まるにつれ過熱する中、タバコに関する科学研究も増えてさまざまなデータが蓄積されていきました。
1900年、生命統計学者らが肺癌の増加を指摘しました。その後さまざまな研究が行われ、たばこやたばこの煙の成分が分析され始めたのです。やがて臨床的・病理学的・疫学的に、タバコの人体への影響が明らかにされ、1930年には肺や循環器疾患の発症率や死亡率の上昇が指摘されはじめました。その後もさまざまな国・研究機関でタバコの研究は増えていき、ドイツではナチス統治下で、またアメリカ合衆国では1938年ごろ生物学者が、タバコは健康に悪影響を及ぼすことが証明されるなどしました。
1939年から30年間には、肺癌に関するだけでも29の悪影響に関する研究が行われ、1952から1956の疫学研究の発表以降、喫煙と肺癌の関係が特に注目されるようになり、1950年代から1960年代の間には医学界や各国政府のコンセンサス「喫煙は、特に肺癌や心臓血管疾患に関する健康を脅かす」が発表されたのです。リーダーズ・ダイジェスト誌が、喫煙がいかに公衆衛生に害を及ぼすかを示すことによって喫煙率を減らすキャンペーンを始めたのもこの時期でした。
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